引き出し中で、何枚かの昔のアメリカ電話会社のSimカードを見つけた。NYのマンハッタンで思い出深いT-MobilleのSimカードや、T-Mobile同様今はなきCingular社。左上にあるAT&Tのは、訳あって繰り抜いた残骸だ。
ところで、こういった携帯電話の中に装着されているSimカードって、もう知られている存在と思われる。契約者の電話番号情報やらが書き込まれている小さなカードのことだ。いわゆるガラパゴス携帯だけの頃は、こんなSimカードみたいなものはなく、ケータイのショップで、電話機のROMに直接書き込んでもらっていた。今はそんな携帯電話はもうなくなってしまったと思うが。
Simカードは、形やサイズは規格で統一されてて世界共通。だが、利権大国の日本ではドコモ社の携帯にはドコモ社のSimカード、Softbank社(当時はVodafone社)の携帯にはSoftbank社のSimカード、といった具合に、当然ながら携帯電話機自体が電話会社によってロックされているので、互換性などはない。(最近はちょっと事情が変わりつつあるようだが。)
私は、このSimカードには、ちょっと思い出がある。。。
前に述べた、私が昔使っていたスマートフォンのM1000やHermes、とある方法でどれもそのロックを解除していたので、通信仕様さえ合えば、ドコモ社であろうがSoftbank社であろうが、さらに世界のどの社のSimカードでも使えた。Simカードさえ入手すれば、現地で普通に気兼ねなくローカルコールができるのだ。私はこういう便利・快適・いつでもどこでも・グローバルっていうのに、妙に惹かれるタチなのだ。
でもこのSimカード、アメリカでSimカードだけを買うのって、当時はちょっと至難の業であった。最初の頃はカードは携帯電話機と一緒に購入するもの、ないしは古い携帯電話機を新しいのに交換するとかではない限り、Simカード単体で販売するっていうのが一般的じゃなかったので。
私の場合、HermesはアメリカのCingular社のものだったから良かったけど、その前のドコモ社のM1000の時は結構苦労した。JFK空港からManhattanについて、まず探したのが携帯ショップ。客が少なくて入りやすそうなところを選んで、ドキドキしながら店員に「Simカードだけちょうだい」って、M1000を見せると、「なんだこの電話機は!」って顔。それは、スマートフォンが珍しいのではなく、電話機自体が珍しいから。彼らにはお馴染みのMotorolaなのに、見たこと無い形で(Motorola社が海外用に生産した電話機だったので、アメリカでの販売はしてなかった)、訳の分からない”FOMA”とか、“NTT DoCoMo”って書かれているものを東洋人が持ち込んで、「Simだけくれ」って…。そりゃやっぱり不審がられる。“We’re not allowed”と断られた。
でも、めげずに今度は隣のT-Mobile社のショップに行って、店員の兄ちゃんに、今度はアプローチを変えて、「こんな電話機見たことある?」って話しかけてみると、案の定珍しがってくれて、すんなり売ってもらえた。裏のヤードから50枚くらいSimカードの束を持ってきて、マンハッタンエリア電話番号の良番を選ばせてくれた上、きちんと通信テストまでしてくれて!…押してもダメなら引いてみろ。表現って大切だ。滞在中、私はレンタカーを借りて、ずっと車で移動することにしてたので、電話が無いと生死に関わるくらいめちゃくちゃ困るので助かった。
というわけで無事、「便利・快適・いつでもどこでも・グローバルなデジタルライフ」を得ることが出来たというわけだ。
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